新しい公共の担い手になる
前回の投稿から時間が過ぎてしまいました。この間プロダクトの検証を続けていたのですが、方向性を変えることとしました。
当初は政策立案のプロセスや内容を変革するプロダクトを目指し政治家を対象とした事業を構想していました。しかしその後の社会を眺めたときに、また今の現職の経験を踏まえて、政策立案をした後の実行主体・担い手のキャパシティに大きな課題があると気づくようになりました。そして政策立案のプロセスと質も重要ですが、その実行主体の課題の方がより大きいと捉えるようになっています。その課題解決のアプローチはいくつかありますが、キャパシティビルディングのためのサポートなどではなく、より直接的に新しい公共の仕事を創り、自分たちでその仕事の受け皿になって行く。その担い手を巻き込み、育て、課題解決につなげて行く、そんな事業と組織を創りたい、と考えています。
前回の投稿では提案力と受け止め力、そして、実行力という3点をあげましたが、その実行力に重きを置いていくスタートを切るということです。よって「政策、人材、技術の3つを通じて、公共と政策を変革する。テーマ横断的に新しい公共を担う団体として拡大を目指し多様な手段を取る」ことを方針とし、「新しい公共の事業を創り、仕事とすることを通じて、社会と働き手の要請に答える受け皿となる」「結果、合理的で利他的な社会を創る。そのビジョンに向けて、政策提言と公共事業の担い手として、日本および世界に貢献することをミッションとする」という形を取って行きます。
追い風が吹く公共領域を結実させる存在に
追い風が吹く公共領域
3週間ぶりの投稿となりました。この間、サービスイメージをコンセプトレベルでまとめつつ、簡易的なsalesと合わせて、政治家の方にヒアリングを重ねました。現在は方向性を修正しながら、早期に再度プロトタイプとβ版のリリースをすることを目指しています。今日は、エンジニアの方や、既存のチームメンバー、そして、投資家の方とも話す中で、いくつか見えてきたことがありましたので、書いていきます。
1. エンジニアの方が想定以上に興味を持ってくれる
これは当初の予想していませんでしたが、何らかの機会を作って会えたエンジニアの方には高い確率で興味を持ってもらえています。話している感じだと、領域として珍しいことや、何らかの課題感を公共領域に対して持っていることが要因として挙げられます。当然興味を持つこと<パートタイムで関わること<フルタイムでコミットすること、それぞれには超えられない壁がありますが、レッドオーシャンなエンジニア転職のマーケット事情を考えると、基本的な方針としてはまずパートタイムからご一緒し、お互いのフィット感を確認して、期待値のすり合わせをした結果として、フルタイムのコミットへ移行していくという形とすることが、自分の中で決まりました。まずは興味を持ってもらえる必要がありますが、その点、技術を生かして社会に価値を出していきたいという方には、非常に良い領域だと考えておりまして、マス的な受けはないかもしれませんが、確実に刺さる方々がいるということを体感しており、引き続き、ご一緒したいチームメンバー候補の方々の認知を取り続けることを目指していきます。
2.スタートアップを支える環境が整っている
まず無償で使える良いサービスが多いです。これまで感動したのはSendgridとdropbox paperとbalsamiqですね。Sendgridはカスタマーごとのメール配信後のリアクションを簡易的に測る目的で、dropbox paperは数多くの方と会う中でのagenda管理とdocument化をする目的、balsamiqはプロトタイプを作成する前段階のラフデザインの構築が目的でした。それぞれ無償とは思えないほどのユーザー体験をもたらしてくれており、何もない環境からスタートするハードルは本当に下がっているということを実感します。また調達環境も良いことから、投資家の方を中心に比較的前向きに話を聞きつつ、建設的な議論をしてくれています。動けば動くほど、いまの時代においてやらない理由を探すのが様々な面で難しくなっていることを感じる次第です。
3.公共領域のスタートアップが増えつつある
そうはいってもまだ3社程度ですが、確実に増えています。これはいくつか要因があると思いますが、日本においてスタートアップに関する外部環境が整っているのは上記の通りですが、結果、内部的なモチベーション/動機を持てるかどうかが、差を生むことになり、その中で公共領域はまだスタートアップが進出しておらず、やる意義を見出しやすい領域と言えることが大きな点です。もちろんそれは落とし穴になりえる面もあり、「誰の」「何の課題を」「なぜ」解決するのか、そしてそれは「自分たちにしかできないのか」を掘り下げなければ、汎用的で誰にも使われないものになります。それは自戒も兼ねて徹底的に追求しますが、いずれにせよ全体としてはプレイヤーが増えて切磋琢磨できる環境になるのは良いことで、今後もいくつか出てくるでしょう。
結論:まずはパートタイム的からご一緒しましょう!
公共領域に馴染みがない方で、何となく気になるという方は、まずはパートタイム的に関わることをオススメいたします!その点、我々とは開発をご一緒しながら、公共領域について基本的な事項から最新のトレンドまで多くをお伝えできると思いますので、この領域でいつかはやってみたい方(特にエンジニアの方)は、是非お気軽にご連絡ください!上記の通り、プレイヤーが増えてくる環境の中で、いち早くユーザーの深い支持を集める必要があるため、そのための強い開発チームをぜひ一緒に作れたと思います。
本組織(p3株式会社)が目指していること
「まずは地方議員の政策立案・実現プロセスを変革する。政策に関する情報収集/整理のプロセスを効率化し、政治家の関心や意向を変え、立案・実現プロセスを変えることで、実現する政策の質と量を大きく高めていく。これらを通じて、国主導ではない地域社会の変化を、都市・地方で同時多発的に起こす。そこを手始めに、国の政治家、そして、民間のルールメイカーの政策立案・実現プロセスを変え、それらのプレイヤーのプラットホームとなることを目指す。」
エンジニアとの接点を増やす
いまはFacebookを通じてお会いしたエンジニアの方と、そこにUX企画およびIA(Information Architecture)を仕事としている方も加わり、4名ほどのチーム(全員本業との兼任)です。7月半ばにはもう1名学生が諸々のオペレーション担当で入ります。
フェーズとしてはまだまだ「0からサービス構築する」タイミングであり、今後「プロトタイプのリリース後からユーザーの声/アクションの洞察とデータ分析を元に、PMFを目指すフェーズ」になっていきます。よっていま、特にBtoBのSaaSの開発を企画・リードされた経験のある/もしくは興味のあるエンジニアの方で、このフェーズに興奮を覚える方を募集している所です...! もちろん公共政策領域への興味関心は大前提です。
そして残念ながらエンジニアの方とは、現段階では多くの繋がりが無いため、yenta(有料版での職種縛り)を通じたアプローチと、wantedly→Facebookからの実名検索での自力スカウトなどを地道に行っています。その際は、いまわたし自身プロダクト開発を学びながら進めていることもあり、チームを組んだ時に一緒に学び続け(結果、成果を上げ)られるかを重視しています。
そんな状況なので、エンジニアの方を中心に、フルタイム以外、副業・フリーランス・社会人インターンエンジニアも含めてチームづくりを考えています。カスタマーとプロダクトに向き合うことと並行して、エンジニアの方との接点を増やすことに、時間を使っていきますので、少しでもご興味のあるエンジニアの方、是非お話しできればと思います!
渋い領域
- 「課題認識を持っているカスタマーが実際にどのくらいいるのか」「 お金がどのくらい払えるのか」の2つが重要
- その上で売上規模をどのくらい目指したいのか、カスタマーの優先度の高い課題1~3をどこまで抑えにいけるのかを今の段階からイメージしておくと良い
- いまはプロダクトをローンチして、どの程度満足度があるのかが最重要。プロダクトを磨き満足度を高めるに集中する。
- プロダクトリリース後のPDCAに向けてエンジニアのチームづくりが重要
- プロダクトが出来るまでは、UX視点の磨き込みやデータベースの準備を進める。コンサル型の提供に対するフィードバックをもらうなども重要。
- whyこの領域なのかの発信も大事。成果の発信(アウトカム。どう政策に繋がっていくのかも今後意識する など
プロダクトというアプローチの理由2
「それらの核となるプロダクトを第一弾で開発しているわけですが、なぜプロダクトに拘るのか。それはこれまでこの世界は属人のスキルやネットワークに基づくルールがあり、社会としての知見が蓄積できていなかった、ということに問題意識があるからです。そもそも公共政策を支えている国の行政府である官僚は異動が多くノウハウが溜まらない構造になっていました。また地方の行政府は縦割りで自治体毎にノウハウが展開されてない面もあり、公共政策領域における知の断絶があったと認識しています。
わたしは、社会を少しでも前進させアップデートして、次世代により良い形で社会を渡していくことが必須だと考えています。その為にも「政策」という後から幾らでも変わってしまう価値ではなく、プロダクトを通じた仕組み・エコシステムを残すことで、変わらない価値を創ることができると信じているのです。上記の問題意識を解決するプロダクトを提供することが、この領域におけるルールチェンジになると確信しています。」
この様な内容を過去に書きました。これも理由の1つですが、もう1つ上げるとすると、この公共領域において、属人性を極力なくし、既存の政党という枠組みやしがらみににとらわれず、良いものを可能な限り広い範囲の人に届けたい。
そしてそれが、カスタマーや社会のためになると考えているというのがもう一つの理由です。
カスタマーへのヒアリングの中で、この話はどこの誰に聞いているのか、聞いた情報はどう扱われるのか、に対して、センシティブになられる方もいらっしゃいました。
それはカスタマー目線で言うと当たり前のことだと思います。情報が彼ら政治家にとっては全てだからです。
この事業を進めていく上で、情報管理であり、そのセンシティブな懸念に対しては、真摯に向き合い続けたいです。それがある種の権力闘争もはらんだこの世界のルールであり、信頼関係の源泉であるためです。しかし一方でこのプロダクトはそういった既存概念を超えたものにしたいとも考えています。
そういった世界観を伝え続け、カスタマーに理解・共感してもらえる様、地道な発信と説明を続けます。