publicとpolicyとpowerと

技術と政治について書いていきます

プロダクトというアプローチの理由

 公共領域のVertical SaaS提供を通じて「公共政策情報を人とテクノロジーの力で効率化し、ルールメイカーを伴走する」ことから着手しますと書きました。もう少しいま目指している世界観と、なぜプロダクトというアプローチなのか、を書いてみます。

 

 いまはまず2段階での展開を考えています。

 1. 政治家にとって安心感をもたらす個人向けSaaSを通じた政治活動の効率化

    2. 民間を含むルールメイカーに対する公共政策の情報・ネットワークインフラを通じた公共政策活動の効率化

 の順番です。

 

 1は何度か触れているように政治家個人に対する価値提供を実現するプロダクトです。その上で2は、1を通じて培う政治家のネットワークと、プロダクトへのリテンションを通じて、ルールメイクを実現したい民間・NPO等のプレイヤーに対するプラットホームを提供します。それは1を通じて蓄積した政策情報のデータベースや、ネットワーク情報の提供です。社名の由来となっている医療業界のm3を参考とした構想です。

 

 それらの核となるプロダクトを第一弾で開発しているわけですが、なぜプロダクトに拘るのか。それはこれまでこの世界は属人のスキルやネットワークに基づくルールがあり、社会としての知見が蓄積できていなかった、ということに問題意識があるからです。そもそも公共政策を支えている国の行政府である官僚は異動が多くノウハウが溜まらない構造になっていました。また地方の行政府は縦割りで自治体毎にノウハウが展開されてない面もあり、公共政策領域における知の断絶があったと認識しています。

 

 わたしは、社会を少しでも前進させアップデートして、次世代により良い形で社会を渡していくことが必須だと考えています。その為にも「政策」という後から幾らでも変わってしまう価値ではなく、プロダクトを通じた仕組み・エコシステムを残すことで、変わらない価値を創ることができると信じているのです。上記の問題意識を解決するプロダクトを提供することが、この領域におけるルールチェンジになると確信しています。

 

 少しずつ、公共領域の効率化に対する注目度が高まっています。その中でわたしは直近の事業の山は2021年春に来ると考えていますが、そこに向けてスピード感を上げていける様、最初の一歩にフォーカスを絞り続け確実に進んでいきます。